2016.03_南総里見八犬伝・伏姫の籠穴(南房総市)

南房総市の富山(とみさん)中腹にある「伏姫の籠穴(ろうけつ)」へ行ってきました。「伏姫籠穴」は、曲停馬琴(滝沢馬琴)の長編小説・南総里見八犬伝の伏姫と八房(やつふさ)が籠ったという謂れのある岩窟です。周囲は木々に覆われ、静寂で神秘的な雰囲気でした。

なかなか立派な門構え。門の右奥には、八房が眠るという「犬塚」があります。
伏姫の籠穴~南房総市
伏姫の籠穴へと続く階段。籠穴へは5分ほどでしょうか。途中、東屋もあります。
伏姫の籠穴~南房総市
階段を上り終え、小さな門を越えた先に現れる岩窟。
伏姫の籠穴~南房総市
伏姫の籠穴の入口は高さ1mほど。
伏姫の籠穴~南房総市
籠穴内は白石が敷き詰められ、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つ(八徳)の玉と石祠がありました。そもそも里見八犬伝は架空の物語にもかかわらず、このような籠穴が実在するのは非常に興味深い点ですよね。現地の説明板によると、いつ、誰の手により掘られたものかは不明とのこと。
伏姫の籠穴~南房総市
この籠穴が八犬伝以前からあるものなのか、それ以降に掘られたものか気になるところではありますが、里見八犬伝の舞台でもある富山(349.5m)は、観音峰と金比羅峰からなる双耳峰で、山頂にはお堂があるそうです。山名の由来は天富命に由来し、命が埋葬された場所という説もあるのだとか。また、物語では役行者が登場することから、この山自体は古くから山岳信仰や神聖視されていたのかもしれないですね。

※場所が分かり難いので、カーナビの場合は「南房総市合戸269」、あるいは「南房総市立富山中」を目印にセットすれば辿り着けると思います。富山中から先は、車1台がやっと通れる細い道で待避所は何箇所かありましたが、運転には注意が必要。

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